「限界家族」とよるべなき人たち
かつて、山間地などで限界集落と呼ばれた地域が全国に出現しました。いまなお過疎化進み集落からいくつものの家族が去り、残った家族には年老いた人たちが生活し続けている地域が存在しているだろう。限界という言葉には孤立して消え去るイメージが付きまとい、時代と社会変動により充分に起こりえる現象です。
私たちはひきこもりの子を持つ当事者団体です。子どもが長期にひきこもりそれを支える苦悩も知っている団体です。家族会運動が始まって30年ほどが経ち、親も子ども高齢化して8050問題も起きました。そして孤立している「限界家族」と呼ばれる家族が存在するようになりました。この「限界家族」に思い寄せることができる当事者団体でもあります。
10年前に東日本大震災が起き多くの人が津波に襲われ流されました。残された家族悲しみは計り知れず、いまなお祈り続けているのです。実はこの限界家族も津波におそわれていると考えれます。私たちには目には見えない津波なのです。膝から胸へとゆっくりと津波に飲み込まれようとしているのです。津波に流されながらも流木にさえつかまることができない社会のなかで孤立した家族なのです。よるべなき人たちです。「限界家族」の存在に胸をかきむしられるのは私たちだけでしょうか。心ある多くの人とともに限界家族の発見と支援の活動が急務となっています。
5月10日「限界家族」支援センター高知(モデル事業)開所へ